平成21年10月18日(日) 医療講演会を開催します

2009年9月6日

心には独自の場所があり、そこに天国を作ることも地獄を作ることもできる・・・

                                      枚方市  松川良枝

私は枚方市在住の61歳です。

平成16年7月に大阪南医療センターでOPLLの手術(後方法)を受けました。頚椎の七番目までです。 術前の説明のとき、これで痛みから解放される、安心して手術が受けられるとか、術後の生活などを思い浮かべて嬉しくなり、ニコニコしていました。

術後も5日目ごろからだんだんと楽になってきて、快方に向かっているのが感じられました。それにしても自分の頭の重さのすごさには感心しました。頭の下にタオルを敷き、それを手で吊り上げて動かしていました。退院までは快適で楽しい入院生活を送りました。友達もできました。

現在はまた首が上下、左右、少ししか動かなくなり、体中の痛みや、手足のびりびりとした痛みとしびれ感、時々つってきます。大変ですが、覚悟をしているので、時々しか落ち込みません。 

手術前は40代から痛みには悩まされていました。排尿や排便にも障害があり、オムツのお世話になっていました。 起床時が悩みでした。 朝一番に考えることは、どういう起き方をするのが良いかということでした。朝は特にこわばりと痛みで動けなくなっていました。布団の上に何とか座り、つかまるところまで這って行き、立ち上がる迄が大変でした。安静時でも痛みがあり、階段などでは悲鳴を上げていました。

そんな状態の中でも病気の母のところに通っていました。自宅から2時間近くかかります。自分にも介護が必要だなぁと思いながら通っていました。包丁も掃除機も持てなくなっていました。 痛みなどは自分だけのもの、他の人には分からない、分かってもらえず辛い思いをしました。

特に尿障害は惨めで情けない思いをしました。ある日、電車の中で「ババァくさい」と怒鳴り声。「シャネルの5番やのに」と言い返しもしました。そんなこともあったなぁと思い出したりもします。

OPLLが分かったのは自宅で転倒し、近くの病院へ緊急で入院したときです。脳外科の先生が、大変な病気で、大変なことになっていると言ってトイレも禁止になりました。そのときは頭を打っていて、体の半分がしびれていましたので先生の言葉どおり、大変なことになったんだと思いました。

説明を聞きましたが初めて聞く病名でした。 本で調べましたが、詳しいことは分からず、保健所や患者の会に電話をして相談しました。 そのときに岩崎会長さんの優しい思いやりのある対応にどんなに救われたことか、感謝をしています。 手術が終わり動けるようになれば何かお手伝いをしたいと考えていました。

一応は危ない状態は無くなりましたが、脊椎の靭帯が上から下まで骨化していて、大変だと思ってる間に、なんだか体調がおかしいなぁと感じる毎日でした。 癌。 進行した乳がんでした。

首の手術から1年4ヶ月で、また手術。 乳房全摘。 リンパ節にもありました。

強い抗がん剤(CEF)を受けてたのに、2年目で再発。 現在も治療中で薬の副作用があり、しんどいときもありますが、リハビリの為に始めたオカリナ、尺八、コーラスを頑張っています。 尺八は昨年始めたところですが、オカリナは2年が過ぎ、今はデイサービスのイベントにも参加して、他の人たちと一緒に吹いています。コーラスにも参加して楽しんでいます。リハビリのためにと始めたものに癒されています。オカリナもコーラスも私の一部になっているように感じています。

そのほかのリハビリは散歩をしています。散歩は4コースあります。 片道30分で目的地に着きブラブラして、また30分かけて帰ってきます。楽しい散歩になっています。今転倒すると危ないことは分かっていますので神経を使いますが・・・

お友達と食事にもお遊びにも行っています。誘って頂けることは嬉しいことです。 動ける内に、歩ける内にまだまだ行きたいところやしたいことが一杯あります。転倒を怖がっている私もいますが、楽しみたいと思っている気持ちの方が強いです・・・

人生は楽しむためにあると思って生きてきましたが、今は少し違います。 私にできる事は・・・ 誰かのお役に立つこと・・・と思うこの頃です。

 

「心には独自の場所があり、そこに天国を作ることも、地獄を作ることもできる」・・・・・ミルトン    私の好きな言葉の一つです。

 

私の大事な癌友、3人は旅立ち、3人は再発におびえ、一人は転移して必死で頑張っています。

昨年の6月に天国に旅立った人は42歳でした。5歳と9歳の子を残し、どんなに残念な思い出・・・子供が小さいので頑張ると言っていたのに胸が痛みます。 

それに、昨年は子供さんを亡くした知人を2人抱きしめました。言葉のかけようがありませんでした。

他にも辛い、悲しい人の話を聞きます。 大変な人が多く、本当にどうなってるのと言いたくなります。

私は子供も孫も元気。それに人生面白かった。辛いこと以上に楽しんできました。もうひとつは、昔だったら死んでる年かなーと思っています。 未練はありますが、あちらの世界もいいかなと思っているので、今は楽しい事を一杯してという気持ちもあります。覚悟のうえだったら楽しめます。 この先どう気持ちが変わるか分かりませんが・・・

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